目次
ひといちばい敏感な子の性質
過剰な反応とは
子育てをしていてこんな風に感じることはありませんか?
心身ともに未熟な子供が、大人よりも過剰な反応を示すのは当たり前のことですが
同年代の子と比べてもあきらかに過剰な気がする…と心配になってしまう親御さんもいると思います。
HSC(ひといちばい敏感な子)が苦手に感じ、つい過剰な反応になってしまう場面について
自らもHSPである私が、自身とHSCの娘を通して感じたことをまとめてみました。
具体的な場面
HSCの子はとても怖がりな子が多い印象を受けますが、それはなぜなのでしょうか?
具体的な場面から、なぜひといちばい怖がってしまうのかを考えてみると…
乗り物が怖い
娘のくるみはHSS型(刺激追求型)のHSCですが、ゲームセンターなどにある幼児用の乗り物にすら乗れませんでした。
興味はあり乗ってみたいとはいうものの、いざお金を入れて乗り物が動き出すと怖がってすぐに
おりる~!!!
と言って泣き出してしまいます。
これは、HSPの深く考えるという特性からきている反応で
「この後どう動くのかな?」とか「こうなったらどうしよう」ということを瞬間的に考えてしまい怖くなり
何も考えずにその乗り物の音や動きを楽しむということができないのです。
年齢があがるにつれ、自分より小さい子が乗っているのを見た遊具には乗れるようになってきたので
自分の中で乗り物の動きを把握できると安心なようです。
特定の病院を怖がる
病院では、器具を特に怖がります。
変な形の器具を出され、何をされるかわからない…という状況が一番怖いようで
想像力が豊か過ぎて、考えすぎて、触れられる前からパニックになってしまうのです。
器具を用いない皮膚科や眼科では泣きませんし
一番泣きそうな予防注射もなぜか泣かないのは
絵本やテレビ、おままごとなどで馴染みがあり
ちょっとだけ痛いけどすぐ終わるということを既に知っているからだと思います。
すぐに驚く
昔からある玩具で「黒ひげ危機一髪」という商品がありますよね?今はキャラクターのものなども発売されているようですが
黒ひげのおじさんが樽の中にいて、一人づつ剣を刺していっておじさんが飛び出したら負けというゲームです。
私はこれが大の苦手
ドキドキハラハラを楽しむゲームらしいですが、ドキドキハラハラの感情が苦痛で仕方ないのです。
何が楽しいのかさっぱりわからない。
そんなある日、娘のくるみがこの「黒ひげ危機一髪」をプレゼントでもらったのですが…
何も知らずに嬉しそうに遊ぼうとしている娘を見ながら、私は心の中で、やめて~!!と叫んでいました。
でも「何事も経験」と自分に言い聞かせて見守ることに。
くるみはその場で泣くことはしませんでしたが、表情は終始とても強張っていて
せっかくいただいたそのおもちゃを2度と触ることはありませんでした。
これは過剰に刺激を受けやすいという特性からくるもので
私は大人になった今でも、このゲームに限らず、びっくりさせられることが苦痛なため
お化け屋敷や、ドッキリ系の番組は嫌いです。
人の感情に左右される
人が怒られている、またはケンカをしている場面で自分は関係がないにもかかわらず、とても落ち込んでしまいます。
これは共感力が高く、感情の反応が強いという特性からきている反応で
怒られている人に感情移入して辛くなってしまったり、なんとも居心地が悪くなってしまうのです。
最近の脳科学による研究で、HSPは、非HSPに比べて、ミラーニューロンの活動が活発であることが示されました。ミラーニューロンとは、他の人が何かをしたり感じたりしているのを見ると発火して、あたかも自分が同じことをしたり感じたりしているように感じる神経細胞です。言葉を換えれば、「共感を生む」働きといえます。それが、HSP/HSCの共感力の高さにつながっているのではないかといわれています。
「HSCの子育てハッピーアドバイス」明橋大二著 より抜粋
私自身も幼い頃は、両親のケンカが本当に苦痛で仕方なかった記憶があります。
両親は基本的には仲が良くケンカはごくまれではあったものの
その記憶は鮮明で、自室にこもって耳を塞いでいたのを昨日のことのように思い出すことができます。
そんな体験から、子供の前では絶対にケンカはするまいと普段から心がけてはいますが
娘は、私の夫に対するイライラまで敏感に察知して今にも泣きだしそうな顔をしたり
私をたしなめるように手を握ったり、くっついてきたりします。
敏感さゆえに、よくも悪くも環境による影響を大きく受けます。不幸なこども時代を送ったHSCは、他の子どもに比べて、大きくなってから、うつや不安症になりやすいですが、よい子ども時代を過ごしたHSCは他の子よりも幸せに生活しているのです。
「HSCの子育てハッピーアドバイス」明橋大二著 より抜粋
こんなに怯えて気を使わせてしまっているなんて…反省…😭
どう思われるかを気にする
子どもの言動に対して、微笑ましい、可愛いという気持ちから笑ったりすることってありますよね?
それが、くるみにとっては自分が変だから笑われたととらえてしまうようで、突然泣き出してしまいます。
大人になれば、会話の内容から笑われているのではないとわかりますが
幼いくるみは、笑われたということに過剰に刺激を受けてしまいとてもショックなようです。
対応の仕方
決して「大げさ」ではない
HSPの気質と言うのは基本的には大人になっても変わらないと言われていますが大人になるにつれて慣れていく…ということもあります。
そんな慣れてしまったHSPの人や非HSPの人からすれば「そんなに?!」と思う場面であっても
HSCにとってこれらの反応は、決して「大げさ」ではないのです。
例えば、アニメを見ているだけでも共感力が爆発して辛い気持ちになったり動揺したりすることもあるHSC。
そんなの大したことないと思う気持ちが伝わってしまうと、HSCは信じてもらえていないと更にショックを受けることになります。
これだけは避けなくてはいけません。
大事なのは「共感」
HSCにとって「大したことないから大丈夫」というのは安心につながる言葉ではありません。
同じ気持ちだよ、という思いを言葉で伝えるだけでいいんです。
子供の気持ちに寄り添い、尊重しながら、適切なタイミングでそっと背中を押してあげることができれば
HSCは自ら大きく成長できる力を持っているはずなのです。
まとめ
これらの反応は全て、HSCが自分を守るために必要な感情です。
克服するものととらえず、つきあっていくものとしてとらえ
気持ちを引きずらないような共感の声掛けをしてあげてください。
そして、ギューッと抱きしめてあげると次第に笑顔を取り戻してくれますよ☺️
\こちらの本を参考にしています/