目次
進級して3ヶ月の様子
感情はジェットコースター
年少から始めた音楽教室のグループレッスンで、最初は泣いてばかりいた娘のくるみですが
徐々に場の雰囲気にも慣れ次第に泣くこともなくなっていきました。
そして年中から幼児科へ進級して鍵盤の練習が本格的に始まり、最初の頃は嬉しそうに鍵盤を触っていたし
メンバーが持ち上がりだったこともあり「もうすっかり慣れて大丈夫そう」と思って安心していたのですが…
しばらくするとくるみはまた泣くようになってしまいました。
機嫌よく歌ったりピアノを弾く練習をしていたかと思ったら
次の瞬間むすーっとした顔になったり、急に大粒の涙がポロリ…という具合。
感情反応が強く、自分の身に起こっていることを必要以上に全身全霊で受け止めてしまうHSC(ひといちばい敏感な子)は
大人からしてみれば、なんでそんなことで?!と思うタイミングで泣いてしまうのです。
感情の浮き沈みはまるでジェットコースターに乗っているよう。
私自身もHSP(元HSC)なので、くるみの気持ちは十分に理解してあげられるはずだと思っていたのに
実際は、人の目を気にしたりつい他の子と比べてしまったりして
焦る気持ちを抑えられず感情的になってしまっていました。
子供は泣いているし、私自身もどう対応していいかわからずストレスを抱えていて
このままレッスンを続けさせるべきなのか…とても悩みました。
やめる?続ける?
苦手なことを無理にやらせているならやめようと思い、くるみに聞いてみると
やめたくない
と言うので、マイナスの感情が表に出やすいだけで本当は音楽が好きなんだと再認識できました。
そこで、レッスン中はとにかく寄り添い、なぜ泣くのかをくるみの気持ちになって考えたり
家にあるHSC関連の本を読み返したりと、HSCにどう対応するのが正解なのかを模索することに。
- 自分の思い通りにならない
- 自分の思う結果が出せなかった
HSCはそうでない子に比べ不公正なこと・葛藤・苦痛に強いストレスを感じるそうです。
このような感情をわがままと取られて𠮟られると更に傷つくという悪循環にもなるのです。
実際、くるみが泣き出す原因として一番多いのは、間違えた時です。
- 歌詞を間違えた
- 弾く音を間違えた
- 五線の上の音符の位置を間違えた
間違えた時に泣いたり怒ったりするHSCはどのような感情なのでしょうか。
- うまくいかないことに腹をたてて八つ当たりしたい
- うまくいかなくて動揺しているのを隠したい
- うまくできるところを他人に見せたかったのにできなくてくやしい
- 失敗して自分が笑いものになっていると被害妄想的に取ってしまう
一度間違えただけなのに、様々なことを考えてしまうんですね。
強い感情反応への対処法
安心できる環境に感謝
HSCかどうかにかかわらず、怒りや悲しみやストレスを癇癪という形で表すのは当たり前ことで、悪いことではありません。
そして、幼い頃から周りの人の目さえも敏感に察知するHSCにとっては
安心できる環境だからこそ自分の素の気持ちを出せるということも忘れてはいけません。
先生をはじめ、同じクラスのお友達やそのママさんパパさんは本当に理解のある方たちで
毎度毎度癇癪をおこしては教室の空気を悪くするくるみを、いつも温かい目で見守ってくださいます。
励ましの言葉もかけてくださるので、くるみも私もとても救われています!
感情のコントロールとは?
どんな感情が出てくるかを語り合いましょう
The Highly Sensitive Child エレイン・N・アーロン著 より抜粋
これまで味わったことのないようなネガティブな感情に、混乱してしまっているHSCには
自分が感じていることと、その原因をはっきりさせることが必要なのだそうです。
- 歌詞を間違えた → 間違えたことを人に気付かれて恥ずかしい
- 弾く音を間違えた → 家では出来ていたのに皆の前で出来なくてくやしい
- 五線の上の音符の位置を間違えた → 理解できていない自分に失望した
家では上手に出来ていたよね。
今日は間違えてしまってくやしい気持ちだね。
違う場所だとドキドキしたりして出来ていたことが出来なくなることもあるんだよ。
こんな風に、その都度あらわれる強い感情とどう向き合えばよいのかを学んでいくことで
HSCは今後の混乱に対応しやすくなるのです。
予防線を張る
上記のように感情を爆発させたときにひとつひとつ学んでいくことも大切ですが
日々あらゆる刺激に対し敏感に反応してしまうHSCを過剰な刺激から守るためには
爆発してしまう前に予防線を張っておくことも大切です。
- 追い詰められないよう、辞めたくなった時のことを話しておく
- 親がお手本となり、間違っても何度もやり直す姿を見せる
- 予習・復習をしっかりさせる
- 睡眠、栄養をしっかりとる(そもそも機嫌が悪いと更に混乱を招くため)
まとめ
毎回のように癇癪を起こされると、こちらもイライラしたり感情的になってしまいますよね。
そんなこちらの様子を敏感にキャッチして更に感情的になってしまうHSC。
これではどちらも救われません。
HSC子育てで大事なのは、あせらないこと。
そして何より、子供のやりたいことを応援する気持ちを忘れないことかな、と改めて思いました。
他とは違う子の親になるなら、他とは違う親になる覚悟がなくてはなりません
The Highly Sensitive Child エレイン・N・アーロン著 より抜粋
周りの目をひといちばい気にしてしまうHSPの私にとって、正直、居心地の良い空間ではありません。
でも、この言葉を胸に、強い感情とどうつきあっていけばいいかを親子で学んでいきたいと思います。