目次
境界線とは?
この記事でわかること
同じHSP気質をもつ親御さんなら「わかる~」となるところ
親子で気質が違う場合は「なんで?」と不思議に思ってしまう出来事もあると思います。
- 友達が叱られているのに自分が叱られたように泣いてしまう
- 人の顔色をうかがってビクビクしている
- 特定のテレビ番組やCMなどで怖がる
- 具合の悪い人を見ていると具合が悪くなってしまう
なぜ、HSCがこのような反応をしてしまうのかをぜひ知ってください!
そして、簡単ではありませんが、HSCが自分の身を自分で守れるようフォローしていただけますと幸いです。
HSP/HSCの境界線が薄い理由
HSPは、自分と他人を区別する境界線が薄いと言われています。
過去を振り返ってみると、私にもそんな境界線の薄さゆえにおこっていたのだと思われる出来事がたくさんありました。
- 小学校の校長先生の話中に倒れたお友達を見て気分が悪くなり、自分も倒れてしまった。
- ドラマや映画の残虐なシーンが怖くて見られず消していた。
- 父親の機嫌を常に気にしてビクビクしていた。
HSP(Highly Sensitive Person)とは、生まれつきとても感受性が強く、敏感な気質を持った人のことです。
HSP(Highly Sensitive Person) – 漢方の不二薬局・はりきゅう治療院の藤巻一心堂 より抜粋
HSPの脳の特徴として言われているのは、扁桃体の過剰反応です。扁桃体は脳の側面にある側頭葉の内側にある神経細胞で、その形がアーモンド(扁桃)の形をしていることからこう呼ばれています。扁桃体は感情の処理に重要な役割を果たしており、とくに「不安」「恐怖」「怒り」「緊張」といったネガティブな感情に関わっています。
たとえば、ある刺激に対して「嫌だ」「不快だ」と扁桃体が判断を下すと、ストレスホルモンが分泌されます。その結果、心拍数が上がる、血圧が上がる、ドキドキする、手足が震える、汗がでる、吐き気がする、といった身体の反応(情動行動)が起こります。
HSPの場合は、この扁桃体が過剰反応を起こしがちです。だからHSPの人は不安や恐怖を感じやすいし、動揺したりパニックになりやすくなります。
いつもと違う表情や声のトーン、仕草などから相手の感情を読み取ることが得意で
感情移入しすぎたりしてしまうこともあります。
成長と共に消える特性ではないので、今同じ状況に立たされれば、私はまた同じ反応をしてしまうかもしれません。
でも、脳の特性だから仕方がないとあきらめずに境界線を意識するだけでも
状況は変わると思っています。
HSC娘の様子
保育園でお友達が先生に叱られた
先日保育園へ娘を迎えにいった際に先生から聞いた出来事。
給食のお片付けが上手にできなかった数人のお友達に向かって
先生が叱ったそうなのですが、その直後にくるみがポロポロと泣き出してしまったというのです。
くるみはきちんとお片付けができていたので、先生もすぐに
「くるみちゃんはちゃんとできてるから泣かなくていいよ~」
とフォローしてくださったそうなのですが
しばらくわんわんと泣いていたそう。
後からくるみに聞いてみるとこう言いました。
だって、先生が怒って怖かったんだもん
そこで私はこんな声掛けをしました。
お友達が叱られたのに、くるみが泣いちゃったんだね。
くるみはちゃんとできていたんだから気にしなくていいのに。
- お友達が叱られた
- くるみはちゃんとできていた
客観的にみた状況を、言葉にして繰り返し伝えてあげることで
自分は自分、他人は他人という線引きができるようになるのが理想です。
すぐにできるようになることではありませんが、根気強く声掛けをしていくことで
他人に影響されすぎず、自分の心を守れる子になって欲しいと思っています。
実はこんな出来事は初めてではなく、以前にもありました。
お友達を叱った先生のことが怖くて保育園へ行き渋りをするくらいトラウマのようになってしまったのです。
その先生が近くにくると泣きじゃくっていたのですが、そんな対応にもめげずに
「くるみちゃんの信頼を取り戻します」
と言って頑張ってくださり、今ではくるみの大好きな先生のひとりになりました。
先生には感謝しかありません。
お友達がママに叱られている
一緒に外遊びしているお友達がママに叱られる場面では、叱られている様子が気になって
そわそわ、おどおどしています。
自分が叱られているわけではないのに顔をこわばらせて、とても居心地が悪そう。
それは、私も同じなので二人でそわそわしてしまいます。
そんな時は、その場から少し離れてこんな声掛けをします。
〇〇君は、△△なことをしたからママに叱られているんだね。
〇〇君のママが怒っちゃう気持ちわかるな!
でも、くるみはそんなことしないもんね。
状況を説明しながら、ギューッと抱きしめてあげてください。
自らが境界線となって子どもの心を守るイメージです。
お友達が怪我をした
派手に転んでおでこに怪我をしてしまったお友達を見た時は
しばらく私にしがみついて離れませんでした。
ケガの手当が終わって「もう大丈夫だよ」と言うと、ホッとしたのか
くるみはシクシクと泣き出しました。
こわかったよ…。
それからは、そのお友達がまた怪我をするのではないかとビクビクしている様子で
〇〇君と遊ぶのこわい…。
と少し距離を置いている様子も見受けられました。
私自身も、同じくその子の行動が心配で、怪我をして以来ドキドキがとまりません…。
こういった状況に慣れることはなかなか難しいので
どうしても怖い時は目を閉じる、耳をふさぐなど物理的な境界線が必要になる場合もあります。
まとめ
自分と他人の区別する境界線が薄いことについて、マイナスな部分ばかりお伝えしてしまいましたが
人の心に寄り添うことができるという大切な能力でもあります。
私が階段で滑って怪我をしてしまった際には
痛そうだね、大丈夫?着替えはゆっくりでいいよ。
こんな風に治るまで私の痛みに寄り添って声をかけてくれた優しい娘。
自分に悪影響を及ぼすことを、自分で判断し
必要な時だけ自ら境界線を引けるようになるのが理想…ですね。
人一倍敏感であることは、不安を抱えて生きていくという意味ではありません。
確かに、HSCは全ての状況を慎重に処理して、危険を鋭く感じ取るため、大胆で冒険好きな子には育ちにくい面があります。
だからこそ、どのような経験をするか、どのように育てられるかが大きく影響してきます。親の責任は重大です。
子どもが不安に立ち向かう勇気を持ち、人生は基本的に安全で、信頼できる、生きていてうれしいと感じられる旅なのだと思えるようにしていきましょう。
The Highly Sensitive Child ひといちばい敏感な子 エレイン・N・アーロン著 より抜粋
親の責任は重大だって~😱